テンション感と実際のテンション
なんだか、ブリッジで弦を裏通しするとテンションが高くなるとか、ナットで弦に角度をつけるとテンションが高くなるとかいう情報があり、当初、私の頭はワケワカメでした。
「同じ弦を使ってて、同じ音程にチューニングするのであれば、テンションは同じハズでは?」
というのが、クソマジメな私の考えだったので。
で、とりあえずブリッジで弦を裏通ししてみました。
確かに、明らかにテンション感が高くなりました。
以前と同じように指で弾いてても、弦振動の振幅が少ないように感じます。
ブリッジで弦を裏通しすると、サドルのところで弦が大きく折り曲げられます。
高校物理のような弦振動では、両端は点で支持されていますが、現実にはそのようなことはありえません。
弦楽器には駒(サドル)があり、そこで弦を折り曲げることで支持している場合がほとんどです。
駒よりテールピース側の弦も、もちろん振動しています。
つまり駒によって与えられる弦の角度が大きければ大きいほど、駒付近での弦振動が拘束されることになります。
この弦振動の拘束が、実際にテンションが高くなった時と同じような抵抗を生み、楽器を弾いた際のテンション感の高さを生み出すんだと思います。
実際のテンションは、ペグを巻く力である程度推測することができます。
弦を替えたり、チューニングを変えない限り、実際のテンションは変わりません。
でも実際のテンションに限らず、テンション感が変わると、音が変わります。
テンション感を変えることは、ネックにかかる負荷を変えることなく、音質を変えることができる方法です。
弦のテンション感を高めたセッティングにすると、音がミドル付近にきゅっと締まった感じになってきます。
またテンション感を高めるにはお金がかからない方法もあるので、気軽に試すことができます。
具体的には、
- ブリッジで弦を裏通しする
- 弦高を上げる
- ペグに、より長く弦を巻きつける
- テンションピンを取り付ける
などです。