ダダリオ弦とアーニーボール弦の違い
フラットワウンド編

ダダリオとアーニーボールは、フラットワウンド弦も作っています。
フラットワウンド弦は、ラウンドワウンド弦ほど一般的ではありませんが、
この2社のフラットワウンド弦は、その流通ルートからか、
比較的入手しやすい部類に入ります。

ここでは、フラットワウンド弦に限定して、
ダダリオとアーニーボールの相対的な違いをまとめてみます。
ちなみに、ラウンドワウンド弦についての違いは、別にまとめてあります。
ただし、あくまでも個人の勝手な意見です。

ダダリオ

ECB81 ECB82

最も入手しやすいフラットワウンド弦でしょう。
定番はECB81

まず注意点として、ダダリオの弦は全般的にテンションが高く、
さらに加えて、フラットワウンド弦は構造上テンションが高くなりやすいです。
早い話が、ダダリオのフラットワウンド弦は、
ゲージの割にテンションがかなり強めだということです。

とりあえずミディアムゲージ、みたいな感じでECB82とか張ると、
簡単にネックが反ってくる恐れがあります。
強いテンションに対応できるネックだったらいいんですが、
ものによっては、どれだけトラスロッドを調整しようと、
強めの順反りが収まらなくなるかもしれません。
というか、その経験者が私です。

そのテンションの強さのためか、商品ラインアップが豊富なダダリオにあって、
フラットワウンド弦にはヘビーゲージが存在しません。

新品時は、思いのほかラウンドワウンド弦に近い感じの、明るい音がします。

ちなみに、ダダリオのフラットワウンド弦は、
開封したての新品をそのまま触ると、手が黒くなります。
おそらく、製造工程で巻線を巻いた後に弦の表面を研磨していると思われ、
その研磨くずが付着しているものと考えられます。
気になる人は、フラットワウンド弦を張る前に、
弦を一旦乾拭きしたほうがいいでしょう。

フラットワウンド弦は、死んでからが真骨頂です。
音は、フラットワウンドの割に元気です。
フラットワウンドなので、太い中域かつ高域の抑えられた音なんですが、
ダダリオらしい音です。
ラウンドワウンド弦でのダダリオのイメージそのまま、
フラットワウンドにしてみました、という感じ。

中低域が引き締まっていて、音に芯があります
低域もしっかり出ています。
高域は、フラットワウンドらしく丸い音になりますが、
まろやかさみたいなものはあまり感じられません。
中高域に薄さを感じるのも、ダダリオのラウンドワウンド弦に共通した特徴です。

ダダリオはダダリオだということでしょう。
誤解しないでいただきたいのは、
しっかりフラットワウンド弦の音ではあるということです。
ラウンドワウンド弦とは、別の種類の音です。
ブリブリとはいっても、ガリガリとはいいません。

あと、ダダリオの弦は、ロングスケールだと、
本当にロングスケールぎりぎりの長さしかありません
フラットワウンド弦は、両端が飾り糸で巻かれているものが多いです。
ダダリオのフラットワウンド弦も例に漏れず、
弦の両端に青い飾り糸が巻かれています。

これで問題なのが、弦を裏通しするタイプのベースだと、
飾り糸の巻かれた部分が、確実にナットの上に乗ってしまうのです。
仕方がないので、干渉する分の飾り糸を取ってしまったりするんですが、
それでも4弦なんかは、巻線を巻いてある部分の弦の長さが、ナットぎりぎりです。
つまり、ナットの部分で内側の巻線がなくなり、弦が細くなってしまうのです。

このため、裏通しのベースにダダリオのフラットワウンド弦を張る場合は、
スーパーロングスケール用の弦を用いる必要があります。
しかも、これが妙に高いです。
数が出ないんでしょうね。

ダダリオのフラットワウンド弦は、表面の巻線間にほとんど隙間がなく、
しかも最後に研磨仕上げされているようなので、手触りがツルツルです。
逆に、細かい凹凸がない分だけ、指に対する接触面積が大きく、
摩擦抵抗も大きいです。
スライドすると、指が熱くなります。

アーニーボール

FLATWOUNDBASS GROUP IV FLATWOUNDBASS GROUP III

アーニーボールのラウンドワウンド弦はよく見かけますが、
アーニーボールのフラットワウンド弦となると、
ダダリオほど目にしないような気がします。
でも、個人的にはいい意味で予想を裏切られた弦でした。

ゲージの種類は、ダダリオのフラットワウンド弦に比べて幅広く、
ヘビーゲージのフラットワウンド弦 も用意されています。
これは、アーニーボールのほうが、
全体的に弦のテンションが弱いことと関係していると考えられます。
ここでは、45-65-80-100というゲージのGROUP IIIを、比較対象とします。

新品のフラットワウンド弦をそのまま触ると手が黒くなるのは、
アーニーボールでも同じです。
どうやら、フラットワウンド弦は、最後に研磨するのが標準工程みたいです。

ダダリオと違って、フラットワウンド弦が密閉包装されていないこともあってか、
新品時から、比較的枯れた感じの音がします。
とはいえ、金属的なきらびやかさはあります。

フラットワウンド弦らしく、中域の太い音です。
しかも、甘い音色です。
アーニーボールの弦は、中高域がよく響くので、
フラットワウンド特有の音色が強調されている感じがあります。
低域もふくよかに出ていますし、
なにより、音に色気があるのが、ダダリオとの大きな違いだと思います。

正直、アーニーボールのラウンドワウンド弦では、
音の細さが気になるところでした。
その欠点が、フラットワウンド弦自体の持つ太い中域でうまく補われています。

あえて難癖をつけるとすれば、メリハリのある音ではないかもしれません。
ただ、そういうのをフラットワウンド弦に求めるのも、ちょっと違う気がしますが。

一方の手触りは、サラサラしています。
もちろん、フラットワウンドなので、弦の表面は平らなんですが、
巻線を巻いてから線引き加工したような細かい傷が、多数あります。
そのためか、指への摩擦抵抗がダダリオよりも少ないです。

フラットワウンド弦でも、アーニーボールの弦はテンションが弱めです。
サラサラした手触りと相まって、
ラウンドワウンド弦から張り替えたとしても、すんなり弾きやすいと思います。
アーニーボールの弦は、指への負担が少ないというのも、
ラウンドワウンド弦と同じ傾向ですね。

アーニーボールでも、
フラットワウンド弦の両端には青色の飾り糸が巻かれています。
でも、裏通しでも張れるだけの弦長が、ちゃんと確保されているので、
余計な心配はいりません。

初期スティングレイに、裏通しモデルがあったことと関係してるんでしょうか。
買収しても筋は通す、的な。
というか、ダダリオの弦が短いだけなんですけどね。
ほんの2cmほどの差なんですが、これがデカい。

まとめ

比較表でまとめてみます。

ダダリオ アーニーボール
代表 ECB81 GROUP III
特徴 芯のある音 響く音
音の重心 中低域 中高域
テンション 強い 弱い
手触り ツルツル サラサラ
寿命 半死半生 死んでなんぼ
弦長 裏通し不可 裏通し可

というか、ラウンドワウンド弦とほとんど同じ傾向
ラウンドワウンド弦の比較表と、あまり変わっていません。

個人的には、ダダリオよりもアーニーボールのほうが、
メーカーとしての性格が、よりフラットワウンド弦に合っているように思います。

ただ、ダダリオのフラットワウンド弦が悪いというわけではありません。
音の勢い、パンチ力みたいなものはダダリオのほうがあるので、
フレッテッドに張ってピック弾きとか、そういう用途なら、
ダダリオのほうが向いていると思います。

しかし、フラットワウンド弦でも、
ラウンドワウンド弦で感じたメーカーごとの特徴が、
ほぼそのまま反映されているというのは、とても興味深い結果です。

構造、材料とも大差ないはずなんですけどね。
それとも、知らないだけで、全然違ったりするんですかね。

Copyright © 2008-2011 ベースギターという機械 All rights reserved.